ゴルゴ13峠狩り

この日曜,バリバリのプロ選手のによる峠TTを見てきました。やっぱちがうわ脚の次元がボクらとは(笑)

去年まではNIPPO・ヴィーニファンティーニで『ジロ・デ・イタリア』の完走をふくむ活躍をされ,今年は
キナンサイクリングチームで走る山本元喜選手がご自分のブログやfacebookで峠の登りアタックを予告されて
いたので,仕事前の練習をかねて見物に行ってきました。

場所は大阪と奈良をつなぐ峠のひとつ「十三峠」。大阪の人はついつい「じゅうそうとうげ」と
読みそうになるのですが,正しい読みは「じゅうさんとうげ」です。

山本選手はすごくサービス精神というか遊び心が旺盛な人で,レースだけでなく地元の峠でのTTの
様子を『××峠狩り』と称してソニーのアクションカムで撮影してYoutubeにアップされています。

彼は十三峠を奈良側におりたところにある平群(へぐり)町の出身なので,ここは正真正銘彼の
「地元の峠」なのですね。

すでに今年に入ってからのここでのTTもビデオもアップされています。

それにしても,『十三峠狩り』なんて,まるでゴルゴ13の峠狙い撃ちみたいな響きだ(笑)



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この「十三峠」ですが,距離は短く,信州などの本格的なヒルクライムルートとくらべれば
「峠の序盤」くらいの坂。でも,短いなりにけっこうパンチが効いてるんです。

『関西ヒルクライムTT峠室資料』によると,距離4km,標高差375m,平均斜度9.2%,最大斜度14.7%。

9%をこえるとガマンできずにダンシングに切り替えるボクの場合,3分の2くらいはダンシング(汗)

もちろん,「ダンシングが得意」と言いたいわけではなくて,加齢とともに筋力が落ちてきているので,
9%こえると「立って漕がないとニッチもサッチもゆかない」状態になるんですよね(泣)

ちなみに,8月の『乗鞍』で60分を切るような国内トップレベルのホビーのクライマーだとここは
遅くても14分以内のタイムだそうです。

*いつも愛読させていただいているこの方の楽しいブログのタイトルなんてまさにズバリ!ですよね。

そんでもってボクのベストタイムは19分29秒。ベストでこれですから,ふだんは20+α分でヨチヨチ
登ってます。

そこをゴルゴ選手はどれほどのスピードで駆け抜けるんだろう?



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ということで,彼がゴールする20分前には峠付近にたどり着けるタイミングでえっちらおっちら
先行して登ります。

いったん峠まで登ってから,ちょうどゴールまで3分の1くらいのところにある水呑地蔵までの
区間で撮影向きのスポット探し。

大きなRのカーブで斜度がちょっとゆるみ,しかも木立で暗くはなくて光量が十分な場所と言えば...

やっぱここがいいかな,最後のヘアピンカーブ。

すでに先着されていたサイクリストも数名。その方たちや『鶴六』仲間で地元クライマーのクルクルさんと
おしゃべりしていると,誰かが「くるぞ!」と小さく叫ぶ。

グランツールなら,キャラバンのにぎやかな車列が通過してしばらくすると,先頭集団の「おはらい」の
ようにコミセール,ジャンダルムリー(憲兵)のオートバイが通って,ちょっとびっくりするような
タイミングでメディアのヘリが爆音とともに目線の下の方から飛び上がって峠に向かって頭上をかすめて飛ぶ。

ここではそういうわけにはゆかないから,せめて路上にVai Genki!(Go Genki!)とペイントしたい
気分だ(笑)

などと考えていると,静寂の中を彼がやってくる。



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一瞬なにが起こったかわからない。

でも,あの観る側をちょっと困惑させる「王様の静かな通過」が巻き起こす風はまさにプロのレースの
現場そのものだ。

『ツール』にかぎらず,どれほど奇跡的な速度でトッププロが駆け抜けたとしても,F1やWRCと
ちがって,スピードはとうてい非日常的な領域にはとどかない。

前後を走る(先頭集団のあとにはチームカーの車列がいる)エンジンに駆られる乗り物の音や速度の方が
はるかに大きな質感を残してゆく。

けれど,一瞬ののちに,ボクらサイクリストのアタマは,たったいま見たばかりの情景がどれほど
とんでもないもので,どれほどの驚異かをじわじわ理解しはじめる。



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*彼が所属するキナン・サイクリングチームのバイクで登場。ヨネックスのフレームにコンポが
 カンパ(たぶん機械式のコーラス),フルクラムのホイールというアッセンブリーに親しみを感じる。



山本元喜選手はクライマーではなく起伏のあるワンデー的なコースの逃げを得意とするパンチャーなので,
十三峠は,ある意味本領発揮のステージなのかもしれない。

きっと彼は距離250kmとかのワンデークラシックの終盤でも(そこまでさんざんアシストの仕事を
してきたあとで!)こんなふうに距離が短くけっこうな斜度の登りでアタックしたりするんだろうなあ。

そのときの「スピード」はクライマーが発揮するスピードとは意味がちがう重厚なもので,だから
あんなふうに,小柄だけど見るからに筋肉の鎧をまとった体型なんだろうなあ...



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峠のゴール地点に行くと,山本選手はもう何でもなかったかのように,爽やかな表情といでたちで
ファンの写真撮影に応じていたのでした。

上の一枚で彼の体格がよくわかりますね(左は元ホビーボクサーのクルクル先輩)。

走り方や体型を見ていて,ボクは往年の名チャンピオンのパオロ・ベッティーニを思い出しました。

いやあ,良いもの見せてもらった。





















by pedalweb | 2017-07-25 00:22 | 自転車系イベント | Comments(0)