2017 信州峠めぐりツーリングレポートpart1〜『乗鞍』のレース前日

まだ信州の山の風に吹かれているような気分の「峠ボケ」のアタマでツーリングの報告を(笑)

去年にくらべて5分近くタイムを落とした『乗鞍』のレース結果の反省と次の目標については
またのちほど(タイムは1時間24分台でした)。

まずは楽しかった旅の思い出をウイスキーをちびちびやりながら時系列に綴ってみたいと思います。
何回書くことになるかわかりませんが,ギアをローにしたりトップに入れたり,気のむくままに。

 part1はレース前日の土曜日の素晴らしかったヒルクライムの話から。



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*Photo by シュンくん



少しだけ秋めいた風が吹く中を朝7時前に出発。予定どおり10時前に東海北陸道の「ひるがの高原SA」に
着く頃には夏の日差しがもどっていました。

今回の遠征仲間はふたり。「イーズカフェCC」のシュンくんと「サンワRT」のオペラさん。本当は
もうひとりご一緒の予定だったけれど,諸般の事情でDNS。
(カザーティさん残念でした。来年はぜひ!)

高山でランチのあとR158で平湯峠まで。今日はここにクルマをとめてスカイラインを畳平まで登る。






レース前の「足ならし」としてはちょっと足を使いすぎなんだけど,こんな好天の日に乗鞍に登れる
チャンスはめったにないので,てっぺんまで登らないという選択肢は考えられない。

ボクはかれこれ15年ほど乗鞍にかよっているけど,土日の天気予報がどっちも「晴れ」なんてそうは
ないこと。土日どちらかでも「晴れの乗鞍」を走るのは3年に一度あるかどうか?というのが実感
なんです。



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*Photo by シュンくん。写真をよく見ると,車両の通行料金はけっこうな高額。それにくらべて自転車は...(歓)



実はボクにとって岐阜側の「スカイライン」から畳平に登るのははじめてのこと。

7月のレースのときは平湯峠から高山側に少しくだった殿下平からのスタートだけど(距離18.4km,
標高差1,342m),平湯峠からは4kmほど短く,獲得標高も370mほど少ない。

そっか,7月のレースは序盤がけっこうキツいんだ。長野側から登る「エコーライン」よりもビジュアルの
印象が男性的な「スカイライン」は,レースで走ってもいきなりガツンと来るのか!とナットク。

平湯峠のパーキングからスタートすると,車両ストップの管理事務所?の方から人数の確認と
「クマが出ることがあるので注意してください」というアドバイス。

もうこのやりとりだけで非日常なルートを登るんだ!という気分が高まる(笑)



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実際,翌日のレースのことを(いちおうは)考えてスローなペースでおしゃべりしながら登っても,
すぐに槍ヶ岳をはじめとする3,000m級の北アルプスがすごい迫力で見えてくる。

これまで乗鞍に来て見たことがないくらいの明瞭さで鋭い峰々が歓迎のあいさつをしてくれる。
ヤッホー!

エコーラインとちがってスカラインって,下るときは視界がバァーンとひらけていることもあって
ちょっと恐怖感をおぼえるのだけど,登っているときはこの展望の良さがえも言えない爽快感を
与えてくれる。



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ときおりバスが通過する以外は,エコーラインとくらべてタクシーはぐっと少ないし(もちろん
マイカーやモーターバイクは通行禁止),レース前日のエコーラインは自転車も通行禁止となって
いるせいか,サイクリストの姿もほとんど見ない。

無粋なガードレールではなくワイヤー式のガードなのが下りのときの恐怖感の一因でもあるのだけど,
これがスカイラインのいかにも高山ルート!という雰囲気にひと役買っていて,山肌の荒々しい感じと
あいまって,ガリビエ峠やツールマレ峠にもヒケをとらない,まさに「日本最高の山岳自転車ルート」と
いえる迫力を醸しだしている(ヨーロッパの高山ルートには申し訳程度のガードしかないのがふつうで,
それがいかにも「自由は自己責任と一体です」と言わんばかりで気持ちが良い)。

ボクらが何となくスカイラインの方が「男っぽい」と感じるのはこのせいかな。



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でも,くりかえし言うのだけれど,このあっぱれなほどクリスタルクリアーな天気の乗鞍には
そうそうカンタンには出会えない。前の夜に雨が降ったのも大きいね,きっと。

今回がはじめての乗鞍だというシュンくんに笑いながら言ったのだけれど,「もうこんな天気で
乗鞍を登れるのは今世紀最後かも?」

ときどき同行のおふたりに止まってもらって,ボクだけ先行して良い構図の写真を撮らせてもらう。

ああ,何という規模だろう。何という造形なんだろう。

きっと登山家なら顔をしかめるような自然破壊以外の何物でもない高山道路の造形の見事さに,
ボクらサイクリストはあらがえない幸福感を抱いてしまう。



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登りきった畳平でオペラさんに教えてもらった話だけど,このスカイライン,もともとは畳平に
あった旧日本軍の航空エンジン実験施設に通じる軍用道路だとか。

戦後は,2003年に環境保護のためマイカーの乗り入れが禁止されるまでは岐阜県が管理する
観光道路だったらしい。

そう聞くと,この道路の森林限界をこえてからの近未来的とさえ言えそうな曲線美に航空機の美しさに
通じるものがある気がするのも当然だという気がしてくる。

サイクリストには登山家にくらべてずっとメカ好きが多いと思うのだけど,このスカイラインには
サイクリストをひきつける「人工的な機能と自然の神秘の融合」の究極の姿があるとボクはずっと
感じていて,それはこういう背景があるせいかもしれない。



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まるで狛犬のように右手にそびえる尖った烏帽子岳の下のつづら折れをすぎると,大丹生岳のふもとに
ひろがる灌木地帯に出る。もとは火山だった乗鞍の名残り感じながら冷たい稜線の風の中を走る。

ああ,また来たんだなあと小さな声でつぶやく。また来れた...



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着いたのもつかの間,のんびり登ってきたので,レースの受付けリミットを考えると畳平でそれほど
ゆっくりしてはいられない。

そそくさと防寒ウェアを着込み,景色を楽しみながら平湯峠まで下ったのでした。



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(続く)




Commented by 菅原 栄 at 2017-08-31 16:06 x
本当に今年は天気に恵まれましたね。
前日は野麦峠から乗鞍が、レース当日は畳平から槍穂高を堪能しました。そうそう乗鞍高原の星空も見事でしたよ。
Commented by ペダル at 2017-08-31 21:31 x
菅原さん,お互い乗鞍歴も長くなりましたが,今年はホントに良い天気でしたね!
ああ野麦峠へも行かれたのですね。
来年もこんなだと良いですね(^^)
by pedalweb | 2017-08-31 00:06 | ツーリング/ポタリング | Comments(2)