フレンチレッスン・ライド

女子ライドに続く先週末のライドは,インターナショナルなお勉強ライド。科目はフランス語とグルメ(笑)

メンバーは,先月のラファの『大阪ワイナリーツアー』で知り合った来日3ヶ月のパリジャンのザヴィさん,
そして,はんなり剛脚京女のマーシーさん。

お二人に一緒に走りませんか?と声をかけて,嵯峨野から京北をめぐるサイクリングに出かけました。

前にも書きましたが,ボクにとって「クラブライド」は社交ライド。せっかく初対面のサイクリストたちと
親交を深めるチャンスなので,ふだんの人見知りを返上して,なるべく初めての方とおしゃべりすることに
しています。

その意味で,これまでラファのクラブライドはボクにとって毎回格好の社交のチャンス。地元の日本人
サイクリストはもとより,シンガポールなど海外からのビジターと知り合うきっかけにもなってきました。



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*嵯峨越畑の見事な紅葉。晴天の空を背に思わず声を出してしまうほどの色づき。



土曜の朝8時にザヴィさんのお住まいに近い京都のJR二条駅でランデブー(集合)。ここから西の嵐山方向に
向かって走り出します。

この日のボクの課題は2つ。

まだほとんど土地勘のないザヴィさんに,京都のロードバイク乗り御用達の代表的なルートを紹介することと,
お互いに<日本語⇄フランス語>のやりとりで語学の勉強をすること。

ボクの方は学生時代に10年近くフランス語を学んでいるのに対して,ザヴィさんは来日後のわずか3ヶ月の
日本語学習歴なので,断然ボクの方が話せるはずなのですが,もう30年もまともに使ってないボクの
語学力はサビついていてまったくのポンコツ(汗)

でも,楽しいですね。 

信号待ちで止まっては「右京区」と「左京区」の説明をしたり(そもそもなぜ左に「右京区」があって,
右に「左京区」があるのかetc.の歴史の話にもおよぶ),なぜ日本のサイクリストは律儀に信号で
止まるのか(フランスではクルマが来なければ止まらない。ボクはロンポワン「円形交差点」の普及や
スピードの感覚のちがいに由来すると思ってます)etc.と,話す題材はいくらでも出てきます。

そんなあれこれを日仏英の混ぜこぜチャンポンでやりとりしながらのサイクリング。



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嵯峨野でマーシーさんも合流して,化野(あだしの)から六丁峠へ抜ける道へ。

ボクもひさしぶりに走るこの歴史豊かな道はザヴィさんは当然はじめて。落柿舎でストップして,さっそく
マーシーさんから落柿舎の講釈。

ボクもポンコツ語彙を駆使して,ザヴィさんに「柿」やら庭の「サルスベリ」の説明。

ザヴィさんは自分のスマフォに「役立つ日本語」というメモを作っているようなのですが,「サルスベリ」って
どんな場面で使うの?(笑)

そんな会話をしながらなごやかに保津峡沿いに進み,柚子の木が並ぶ水尾の里をこえて神明峠への細い道を進みます。



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いつも京都の郊外を走ると感じるのですが,こうした山あいのいわゆる「酷道」でさえも,京都の道には
「京都らしさ」ありますね。

それは,とてもここが「市内」だとは信じられない「右京区」の広大な山間部のみならず,日本海側の町や集落
(たとえば小浜)にさえ感じられる独特の「京都らしさ」。

この日も,家庭の事情で昼すぎまでのタイムリミットのあるザヴィさんにできるだけ京都らしいルートを見て
もらおうと,嵯峨から京北まで北山杉が立ち並ぶR477を通ります。

このあたりがホームコースでいつも練習で走っているマーシーさんにとってはごくありふれた景色だとのこと
ですが,もう何十回も走っているボクでも,こうやってゲストと一緒に走ると,他の地方にはない独特の
繊細さがある景色だなあとあらためて思います。

何というか,茶室にも似た,コンパクトな空間の中に整然とパーツが配置された「みやびやかさ」。

道や集落にも京都にはそれがありますね。やはり早くから富と文化が集積してきた地域ならではの一種の
先進性が醸し出す雰囲気なのでしょう。



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ザヴィさんにこのルートの感想を聞くと,「まさか京都にこんな山の道があるとは思わなかった」という
答えでした。なるほど。多くの整った寺社や家並みが並ぶ京都の市街地からほどない距離にこの景観の道が
あるというのは予想外なのですね。

地元のマーシーさんにとっては,両方ともひと続きの「日常の風景」。

同じ関西でも大阪生まれのボクには「どちらも京都成分いっぱいの景色」。

まだ日本各地の景色にほとんど触れていないフランス人サイクリストにとっては「タイプがちがった2つの
エキゾチックな景色」なのでしょう。

同じ場所を走っても,見え方がちがって面白いなあ。



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実は,嵯峨から日吉さらには美山にかけてのルートは10年以上前から数かぎりなく走っているボクも
この日新しい発見がありました。

マーシーさんに教えていただいて,『河原家住宅』(通称「旧マギー邸」)に初めて出会えたのでした。

ボクは,この美しい日本家屋の名前だけは聞いたことがあったのですが,いつもひとつ西の道を通っていて,
ここにあることに気づかなかったのですね。

この日本家屋は安土桃山時代のもので,のちに明治天皇の診療もされた医師の住まいだったようですが,
裏千家の職員をされたカナダ人のジョン・マギーさん(20年以上の滞在ののち帰国)が荒れ果てていた
状態から手をつくして今のたたずまいに戻されたものだとか。

ボクも断片的な情報しか知らず,正確な場所もこの日はじめて知ったほどだったので,ザヴィさんには
不正確な説明をしてしまった(恥)次に会ったときには訂正しなくては。

それにしても,この歴史的な資産の現在の所有者や管理の状況についての情報がありません。

京都市の指定文化財だということはわかりましたが,これほどの日本屈指の古民家が一般に開放されずない
ままだというのも残念な気がします。




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閑話休題。

京北町でちょっと休憩したあとは,周山街道(R162)を良いペースで南下し,杉坂で西陣へと下る
道に入り(r31)京見峠経由で市街地へ。

ザヴィさんの門限に間に合う時間ならカフェで一服と思っていたのですが,北野天満宮近くのお目当ての
カフェはお昼の時間ということもあって,あいにく満席。

そこでマーシーさんの提案で,評判の良いパン屋へ行くことに。

マーシーさんはグルメというだけじゃなくて,お仕事柄,京都らしいアートや食の世界(華道や茶道)
にもお詳しい。パンの情報もハンパないっす(笑)

ということで,目ざしたのは『ル・プチメック』の今出川店

行列もできてにぎわっていたものの,幸いすぐにパンを買えて,イートインもできました。



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買ったパンを少しずつ分けあいながら,ランチ前の虫養いもいとおかし。

店内に流れるフランスのラジオ番組を聞いてニヤニヤしているザヴィさんにそのわけを聞いたり,
お互いに好きなパンのタイプの話で盛り上がったり,カフェ以上に楽しい時間を過ごしたのでした。

さて,次回一緒に走るときまでに,もう少しボクはフランス語のおさらいをしておかなければ。

きっとザヴィさんも「サルスベリ」以上の無駄に豊かな日本語ボキャブラリーを増やしている
でしょうから(笑)

マーシーさん,的確な地元情報とガイドありがとうございました!






Commented by dottensya at 2017-12-06 22:54
 そう言えば、ここ数年六丁峠もマギー邸も行っていないなぁと思いつつ拝見していると、
なんと私のホームコース(?)の京見峠、京見茶屋前ではないですか! この場所の良い所
がちょうと全部入っているって感じで、さすがの切り取り方ですね。
Commented by ペダル at 2017-12-08 00:16 x
dottensyaさん,おひさしぶりです。
京見峠がホームコースでいらっしゃるんですね。
うらやましいです!オホメいただきありがとうございます。

京北方面はひさしぶりでしたが,やっぱり良いですね。新しい知人もできたので,また京都周辺にちょくちょく出かけたいと思います。
by pedalweb | 2017-12-01 18:38 | ツーリング/ポタリング | Comments(2)