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祭りだワッショイ('09栂池サイクル)

『つがいけサイクル』 の朝は,食後の「朝礼」から始まります。
全員揃ってゲレンデにある「金の成る丘」,ちがった「鐘の鳴る丘」に歩いて登るのです。
もちろん「全員揃って」というのは,「ボクらのチームメンバー全員」という意味ですが。

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ときにはkozoさんお得意のウクレレを聴かせてもらうこともあります。

そんなときは他のメンバーも口三味線で伴奏です。

 あかんねん,昨日飲み過ぎたから調子が悪いねん♪
 部署が変わって4月から練習不足やし♪
 今度新車を買ったらモチベーションあがるから,来年期待して...♪

などなど。オッサンたちの伴走メロディーは豊富です(笑)

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でも,今年はメンバーは3人だけ。しかも,kozoさんは善光寺方面へ朝食後すぐに
旅立ちましたので,レース出走組は円楽さんとボクだけ。
「朝礼」もボクひとりで食事の前に。朝6時前のゲレンデはまだ霧に包まれたまま。

結局,ボクはレースに出ることに決めました。ツーリングはまたの機会に。

下山時の防寒具などの荷物あずけのタイムリミットまでには時間があるので,
ボクは円楽さんとは別行動をとらせてもらって,食後にアップを兼ねて,
前日サイクリングをした岩岳のロッジ街の方へ写真撮影に出かけました。

早朝の山麓はシンと静かで,湿った空気の中に,花がいっせいに咲き出した雪国独特の
無言のにぎわいがあります。

でも,シャクヤクの花を撮るのは難しいなあ,なんて思っているうちに,いい時間です。
「おっとボクはレースだった」と苦笑しながら,栂池高原入り口のスタート地点へ。

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カメラは下山荷物と一緒に預けてしまったので,スタート前の時間帯の写真は
ありませんが,面白いシーンがありました。

ボクらホビーライダーが出る『栂池サイクル』と同時に,実業団のシリーズ戦も
開催されるのが,ここの特徴です(「Jサイクルツアー第3戦 全日本実業団
個人タイムトライアル選手権大会」)。

日本のロードレース・シーンを少し知っている人なら誰でも名前が浮かぶ有名選手も,
ローラーを使ったウォームアップが終わった後,ボクらと同じ場所で「上り坂を使って
カラダをほぐしに」来るのです。

ちょうどボクが何度か10%くらいの勾配の坂を上り下りしていると,「シマノ」や「愛三」
「ブリジストン」などの選手たちが次々にやってきます。

滅多にないチャンスなので,鈴木真理選手の後について登って太もも裏の筋肉の
動きをジッと見たり(フェチかい?・笑),あまりに軽々と登りをダッシュしてゆく姿に
あっけにとられたりと,ミーハー自転車乗りには楽しい場所なのです。

すると,野寺秀徳選手(全日本チャンプ)が横からやってきて,誰もゆかない脇道の
前で立ち止まり,勾配が軽く20%はあろうかというそちらの坂を見上げて思案。
何をするのかな?と止まって見ていると,ひょいと自転車にまたがって,その坂を
登り始めます。

レースと併催されるイベントでも,観客の小学生たちの前でロードレーサーでウィリーを
披露したりする「自転車マンのでちん」ですから,お茶目なのは知っていたのですが,
草ぼうぼうの劇坂を見つけたとたん,レース前だということなどおかまいなしに,
スルスルと駆け上がってゆくのは,まるで南の島のヤシの木に登る子ザルか,
未知の道を見つけたら走ってみずにはいられない小学生みたいです。

ええ人やねえ(笑)

彼は『ジロ・デ・イタリア』に出場した二人目の日本人ですが(一人目は「マサ」市川さん),
あれですね,もしかすると,ボクらがテレビで見る『ジロ』を走っている超有名選手たちも
野寺さんと同じように,今もピュアな「自転車少年」のハートを持っているのかも。
ふとそんなことを思わせてくれる素敵な姿でした。

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さて,自分自身のレースリザルトですが,満足のゆくものではありませんでした。
「自分の弱点を予想通りに確認できた」と言えばいいのでしょうか。

ゴール後に,レースでしか会えない知人たちの写真を撮りながら談笑するのですが,
みんな納得した表情を浮かべながらも,それぞれ顔に表れている充実感は違います。

もしボクがここに写っていれば,「充実度90%」の笑顔かなあ(苦笑)

*リザルト*
タイム:1時間10分54秒9
順位:21位[男子Fクラス(46-50才)ー完走68名中]

*レースコンディション*
距離:17.1km, 標高差:1200m[標高625-1825m]
平均勾配:7%, 最大勾配:10%, 平均気温:19度(自計測)

目標は「2年前のタイムに復帰」。何とか1時間10分を切りたいなあと思っていました。
しかも,4月の「八ヶ岳」のときのレベルから見ると,うまくゆけば「栂池」での自分の
ベストを更新して,あわよくば1時間08分台に!?と思っていましたが,甘かったっす(笑)

 あかんねん,昨日飲み過ぎたから調子が悪いねん♪
 不意の仕事が入って5月から練習不足やし♪
 ずぅ〜とここしばらく寝不足続きやもん...♪  (オヤジの言い訳ブルース)

まあ,「練習はウソつかない」ということですね。
4月のレースで調子が良かったからと言って,そのときの「貯金を2ヶ月後に下ろす」
なんてできないのですね。1日休めば取り返すのに3日はかかる。そういうことです。
特に40才代後半から目に見えて持久力・回復力が衰えてくるとネ。

8月の「乗鞍」で4,5年前のレベルまで復帰する「予定」だったのですが,「努力」の
伴わない「予定の実現」はないとよく分かりました。
ちゃんと「練習を生活の一部にする」工夫をせんとね。

ボクの場合,持久系の筋力にはわりと恵まれているようなのですが,ベースとなる
体力があまりないので,そこの改善ですねえ。まあ,明日から考えよっと(笑)

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下山時にゲレンデに咲いている花の写真を撮っていると,午前中の「予選」をトップで
通過したシマノレーシングの狩野智也選手が午後の「決勝」に備えてのアップの後,
クールダウンしながら通り過ぎました。

後で知ったのですが,今35才の「日本のトップクライマー」は,コースレコードを
たたき出したそうです。「48分22秒」−11年ぶりの更新だとか。
いったいどれほどの努力をし続けているのでしょう,彼は?

もちろん,彼のようなトップのプロ選手とボクらのようなホビーライダーでは,
「自転車で速く走る必要」がまったくちがいますが,「速く走る楽しさ」を求めて
集まってきた点では同じと言えるかもしれませんね。

戦いの合間の戦士の静かな姿をファインダーごしに追っていると,「栂池」での今年の
「速く走りたい自転車乗りたちのお祭り」が目の前を通り過ぎてゆくのが見えたのでした。

まあ,しょせんは「お祭り」ですからね,特にボクらにとっては。
ムダではあるけれど,なければそれも切ないような時間かな。

あっそうだ。一人お祭りから離れて遊びに行ったkozoさんはどうしてるんやろ?
いつでも楽しいことには人一倍どん欲なんやから(笑)
Commented by shinzo_h at 2009-06-15 21:34
ボクは比較にならないほど軽い負荷の「健康サイクリング」に参加していました。(笑)
自転車の世界は懐が深いですねぇ。つくづく。
Commented by kozo at 2009-06-15 22:02 x
バブリーな頃の「鐘の鳴る丘」は、スキーヤーの間で「金のいる丘」と呼ばれてたのを思い出しました。
ゲレンデ下のレストハウスが、どこも人で溢れ帰っていました。
松川の河川敷でのダンスは、北アルプスにかかった雲をどこかに飛ばすための儀式でしたが、翌日もそれは叶わずでした。
踊りようが足りなかったのでしょうか。
「竹中平蔵」を飲んでから踊れば良かったかも知れません。
Commented by ペダル at 2009-06-16 08:15 x
shinzo_hさん,あちこち足をのばされてますね。
「懐が深い」って,その通りですね。そのときどきの自分の身の丈サイズに合わせて
いろんな遊び方ができますもんね。

「懐の深い」世界で遊んでいると,自分の「フトコロがすぐに寂しくなる」のが
タマにキズですけどね(笑)
Commented by ペダル at 2009-06-16 08:19 x
kozoさん,バブルの頃のあのあたりをご存じなんですね。
栂池参加を一休止してもいいか...でも,右肩下がりの参加者を見るにつけ
「鐘の鳴る丘」に悪いような気も...。レ〜とツ〜の間で揺れるオッサン心です。

「竹中平蔵」を買ったときのオヤジさんの表情,撮っておきたかったなあ(笑)
Commented by みっちょむ at 2009-06-16 21:37 x
栂池ってプロとの距離の近い良いレースだったんですね!

誰しも速い人に憧れるものだと思いますが、
それは速い人が(人知れず)弛まぬ努力をしているという
人間の美しい姿を感じとっているからこそ憧れるんでしょうね。

でも、それを感じられることもセンス&スキルなのだと思います。
レベルは違うのかも知れませんが、自分も少しはしているからこそ
感じ取れているものなんだと思います。

そう考えると、いくつになってもチャレンジできる
自転車ってホントに素敵だなと思います。
Commented by ペダル at 2009-06-17 00:28 x
みっちょむさん,そうなんです。まさにその通りなんですよ。
ー「レベルは違うのかも知れませんが、自分も少しはしているからこそ
感じ取れているもの」ですね。

ボクらのレベルでも,少しは苦労して走っているからこそ,プロの彼らのすごさや
『ジロ』に出ている選手たち(縁の下のアシスト陣も含めて)のレベルの高さが
分かるんでしょうね。

日本では「プロスポーツ」の実態が見えにくいサイクルスポーツですが,
ぜひ機会があれば「生の」レースや選手を見る経験をしていただきたいですね,
ボクらが乗っているロードレーサーという「機材」が,どれほどすごいポテンシャルの
乗り物なのか知っていただくには,「プロ」を見るのが一番ですからね。
Commented by hello1956 at 2009-06-17 13:10 x
ペダルさんにしてこの順位、相当ハードなコース設定なんですね!
Commented by ペダル at 2009-06-17 19:08 x
hello1956さん,ペダルさんは「ヘタレさん」ですから(笑)
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by pedalweb | 2009-06-15 21:11 | ツーリング/ポタリング | Comments(8)