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優雅な生活が最高の復讐である

このタイトルの言葉は,広告マンのさとなおさんによると,スペインのことわざなんだとか。

英語で言うと,'Living Well is the Best Revenge'。
まあ,別に英語で言わなくていいんですが(笑)

ボクがこの言葉を初めて知ったのは,さとなおさんも触れてらっしゃる,画家ジェラルド夫妻を描いた
カルヴィン・トムキンズの同名のノンフィクション

さとなおさんは「よくこの言葉を『いやなコトがあったときに思い出す』ようにしている」と書かれて
いるけれど,ボクも学生時代にこの本を読んだときから,同じ解釈でこの言葉を受けて止めて,
何か嫌なことや落ち込むことがあると,思い出すようにしています。


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*今日の奈良行きで撮った写真を使っていますが,本文の内容とはほぼ関係がありません(笑)


なぜ,急にこの言葉を今日のブログ記事のタイトルにして書き始めたかというと,
今日はほんとうは乗鞍周辺に一泊で走りにでかけるはずでした。
紅葉ヒルクライムサイクリング。けれど,雨天予報のため中止。

急遽,奈良でのロングライドに混ぜてもらおうと出かけたのですが,走っている間,
かなり長い時間そんなことを考えていたから。

もちろん,今日とくに「優雅なサイクリング」をしてきたわけではないし,今日になって急にこの言葉が
ボクの頭の中で響き始めたわけでもありません。

そもそも今日のサイクリングは全然優雅ではなかった。ほぼ「全然」(笑)

まんま亭→須山→針→室生寺→曽爾村→香落渓→名張→山添村→須山...と,
奈良北部の,こまかなアップダウンが連なる「走るとそれなりに足にくるエリア」。

しかも,同行した10名ほどの中には実業団レーサーもシクロクロス女子チャンプもいるしで,
要所要所でハイペース。

でも,ご一緒させていただいた「ストラーダ」チームの皆さんに,わりとボクと近い世代の方が
多かったからかなあ,今日の物思いは(笑)






閑話休題。

さとなおさんもそうだと思うけれど,ボクにとって『優雅な生活が最高の復讐である』という言葉の
真意は,「悩みや後悔,苦しみのタネには事欠かない人生だけれど,それに流されず,自分の人生は
なるべく負の感情を持たずに楽しげに生きてゆきたい」という,ある種の「決意」。


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これは決してご立派な人生哲学というわけでもないし,若い人に教え諭したいから書いている
内容でもありません。

たとえば,年老いた親との不本意なぎくしゃくした関係。奥さんとの価値観のちがい(大同小異だけど)。

自営業であるがゆえの不透明な経済的な先行き。知人友人との思い通りにはゆかないつき合いetc.

といった,あくまでもボク個人の「些細だけれど,自分にとっては地球滅亡にも匹敵するかもしれない
悩み・後悔・苦しみ」に押しつぶされないための「おまじない」のような言葉。


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それは,今日一緒に走っていただいた皆さんだって,多かれ少なかれ変わらないんじゃないかと思う。

十代や二十代の若い頃とちがって,世界にはその気になれば今も「革命」が起きる可能性があることも,
その「革命」は起こすことよりも続けることの方がかなり大変なことも,
「革命」の継続にはどれだけの資金やロジスティックスや広報の,どれくらいの規模の実働部隊が
必要かも見通せる一方で,自分の身には,というか自分自身の内側には,ますます「革命」の可能性が
少なくなってきていることも,しみじみと冷静に判断ができるようになってきている。


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だからこそ,若い頃とは逆に,のどに刺さる骨のような小さな悩みや痛みがあっても,
オジさんやオバさんは「今日を少しでも優雅に(正確に訳せば「見事に」)生きよう!」と
毎日静かに決意しなければならない。

自分がそうやって生きることで,自分の周囲5メートルくらいの範囲でなら「変化」が起きて,
誰かがちょっとなごやかになってくれたり,ほがらかでいてくれたり,感謝の言葉を口にしてくれることも
あるかもしれないから。


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そうやって,「革命」ゼロの可能性に直面してもニヒリズムにおちいらず,毎日けんめいに「決意」して
コツコツと生きていく姿は,「負の感情」を遠ざけていて素晴らしい。

だから,ボクはこれを「復讐」という言葉で呼ぶのは好きではなくて,「救い」と呼びたいんです。

 『見事に生きることこそ最良の救いである』

そして,上に述べたような理由で,「救い」は若い人よりもオジさんやオバさんにこそ
おとずれる可能性が高いとも申し添えておきたい(笑)


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自らの境遇を静かに受け入れて,しかもなお,見事に生きる「決意」を心に秘めておきたいものです。


追記

あっ,書き忘れてた!

今日この文を書いた,大きなひとつのきっかけは,今年から始めたシクロクロスについて
まんまさんが「思い通りになれへんから面白い(楽しい?)ねん」と語った言葉。

珍しく深いこと言わはるなあと感心(笑)
Commented by shinzo_h at 2011-10-23 22:54
いい言葉ですね。
さとなおさんも懐かしいな。
日々をふわふわ漂いながら生きているボクには耳の痛い言葉です。
Commented by シゲオ at 2011-10-24 06:36 x
ええこと仰る!

そして画像だけでもメンバーの激しさが・・・

どちらさまも当人にしか判らない色々があるとは思いますが、僕は「最後に笑うのは俺だ!」と言い聞かせて日々生きております(笑)
Commented by zuzie at 2011-10-24 13:14 x
僕はsweet revengeという言葉が好きです。
人生思い通りにならないこともあるけど
絶対負けないぞって感じで。
ブログタイトルと似たようなニュアンスかも
しれません。
Commented by Hossy at 2011-10-24 16:44 x
先日 NHK BS プレミアムで放送された番組タイトルが
「優雅な生活こそ最高の復讐である もうひとりのフィッツ ジェラルド 加藤和彦」でした。
敬愛するトノバンの美学と生き方を多方面からスポットをあてた企画。
エレガンスとは「したくなることをしないこと」らしいです。
なかなか できませんよねぇ。
でもエレガンスな大人 少ないなぁ。
Commented by 桃太郎 at 2011-10-24 21:57 x
お久しぶりですぅ~!
ペダルさんさとなおさんとお知り合いなんですか~!?
僕は以前にさぬきうんどんの本をになるもう少し前にさとなおさんのHPのファンでした!
すご~~~~ぃ!
全然コンタクトをとった事はありませんが、ビックリです^^v
Commented by ペダル at 2011-10-25 11:45 x
shinzo_hさん,「日々をふわふわ漂いながら生きている」なんて
理想の境地じゃないですか。
実力がないとふわふわさせてもらえませんから(笑)
Commented by ペダル at 2011-10-25 11:46 x
シゲオさん,まさに日々体現してはりますよね「見事に生きる」を。

「最後に笑うのは俺だ!」う〜ん,それも良い言葉やなあ。
Commented by ペダル at 2011-10-25 11:49 x
zuzieさん,おっ!もしかしてスウェーデンからの書き込み?
sweet revengeの方が語感がよくわかりますね。

実際には,上で引用した本の内容自体も,そんなモラル的な内容では
なくて,靜かで甘美な芸術家家族の伝記なんです。
だから,気に入ったんですけど。
Commented by ペダル at 2011-10-25 11:57 x
Hossyさん,そっか,ドノバンが好きなんですね。
あの番組は見逃してしまいました。

たしかに,以前よく雑誌で見かけた彼とミカさんの暮らしぶりは
「フィッツジェラルド」的でしたね。
ちょっとブライアン・フェリーっぽいという印象をボクは持っていました。

彼のいう「エレガンス」の定義は難しいなあ。
私生活をよく知らないボクからすると,むしろ「したいことだけをする」ために
他のすべてを犠牲にして生きてきた人だったのでは?と思ってましたが。

「エレガンスな大人」といえば,ボクの頭にはHossyさんが浮かびますよ(笑)
Commented by ペダル at 2011-10-25 12:03 x
桃太郎さん,書き込みありがとうございます。
残念ながら,さとなおさんとは知り合いじゃなくて,一方的な読者です。
関西にいらした頃はウチのご近所さんだったみたいですが(笑)
Commented by casati at 2011-10-26 16:25 x
いいですね!かくありたいです。

今回のルート途上にあった名張に「而今」というお酒を醸す木屋正という酒蔵があります。このお酒はホントに美味しくて、自分の一押し地酒です。機会があればペダルさんも是非ご賞味ください。

ところで、この「而今」という言葉の意味を自分はすごく気に入ってまして、ペダルさんの文章と重なりあうところが多くて思わず書き込みしてしまいました。

あっ、そういえばこの「而今」を醸す杜氏さんもサイクリストらしいです。

Commented by ペダル at 2011-10-26 17:00 x
casatiさん,これまた素晴らしい情報ありがとうございます。
今回は練習ぽい走り方でサッと通過してしまった名張ですが,
こんなに良い酒造があるんですね。ぜひ,行ってみなければ。

「而今」という言葉も良い言葉ですね。
そういえば,いつかcasatiさんが着てらしたジャージの「敢為」でしたけっけ,
あれも良い言葉でした。

室生から山添村にかけてのコースはまた一眼レフを持ってのんびり
走りたいです。ぜひ,ご一緒したいですねえ。
by pedalweb | 2011-10-23 22:40 | 考えるヒント | Comments(12)