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Pray for Paris〜パリのテロ犠牲者の冥福を祈って

またしても悲しい事件が起きました。日本時間で昨日11月14日の早朝。パリの6カ所でのテロ。

コンサートホールやレストランなど人が集まる場所を狙った銃撃と爆弾による攻撃で,120人以上の方が
命を奪われています。

フランス政府の見解では IS(イスラミックステート)による犯行とされ,またIS組織からも犯行声明が。
例年いまの時期のパリは日が短くなり,冬の気配が濃くなるとともに,クリスマスに向けて街がうきうきと
華やいでくる時節。


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*ある年の冬のパリ。中心部のモントルグイユの市場で。


ホールに集まったロックファンの若者も,レストランで食事をしていた老夫婦も,結婚を目前にしたカップルも
週末の家族での食事を楽しみにやって来た子ども連れのファミリーも,まさか金曜の夜にこんな運命が
待ち受けているとは思いもよらなかったでしょう。

11月14日23時現在のニュースでは,襲撃犯は全員が死亡したようです(シリアのパスポートを携帯した
20代の若者たちが多かった模様)。

このことは悲しみをさらに増しますね。






もちろん何の罪もない犠牲者が命を落とされた痛ましさは胸を鋭く刺してあまりにも悲しい事ですが,
同時にテロに駆り立てられたムスリムの若者たちの,「穏やかな幸福」からほど遠かった生き方を思うと
やるせない悲しさに言葉を失います。


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*冬の朝パリを自転車で走る。パリジャンの急ぎ足に「パリに来た!」という思いが浮かぶ。


学生時代にフランス哲学の勉強をしていたボクにとって,パリは一番なじみのある外国の街です。

もう30年も前ですが,はじめてのヨーロッパ旅行で(はじめての外国旅行でもありました)イタリアから
南仏,パリ,ノルマンディー,ブルターニュとまわったとき,パリはとても素っ気なく冷たい都会にしか
見えませんでした。

期待せずに訪れたイタリアの街々の方が,歴史的資産や人々の華やかさの点で,はるかに魅力的に
思えたものでした(そのあと10年以上にわたって,ボクの一番のお気に入りの渡航先はイタリアでした)。

けれど,訪れる回数が増えるにつれ,少しずつパリは,その文化的な厚み,多面性,グローバルな先進性,
理性と感覚の高次のバランスetc.という面でボクにとってはますます魅力的な街となってゆきました。


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*住んでいる人たちが,窮屈でいろいろ不便な環境とひきかえに高度で多面的で美しい文化の洗練を
 愛してやまない,というのがボクにとって「本当の都会」の定義。その意味でパリは真の都会です。


いまパリの人たちの悲しみの涙は止まらないことでしょう。

けれど,彼らの精神性を考えると,テロを実行した若者を生み出したシリアの首都ダマスカスの人々との
連帯と民主主義の可能性を模索しようとも考えているでしょう。


 『自由・平等・博愛』


あらためて,この3つの命題の崇高さと難しさを考えずにはいられません。

目を背けず,まっすぐに見つめてゆきたいと,あらためて思いました。
Commented by Kurukuru at 2015-11-15 22:13 x
このテロの悲惨さと悲しみと人類への課題をわすれないためにも、自身で勉強したいです。視点を変えるとまるっきり違って見えてくるのかもしれません。勿論卑劣な犯罪として糾弾すべきですが、その背景にあるもの、あったもの。知るべきですし、知った上で議論しなければ。 ここまで悲しい事を、自爆覚悟で行なう。平和ボケしてる私たちには理解できないですかね。
Commented by ペダル at 2015-11-16 12:04 x
おっしゃる通りだと思います。一面的に決めつけず見てゆきたいです。

穏やかな幸せが広まりますように(^^)
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by pedalweb | 2015-11-15 01:29 | 暮らしの中のあれこれ | Comments(2)