Rapha Prestige Kuju 〜レポートpart2 再出発
2017年 04月 30日
皆さん,ゴールデンウィーク入りしてゆったり休日をお過ごしでしょうか?
ボクは例年通りカレンダーのお休みとは縁がなく,SNSで自転車仲間のおでかけ写真を指を
くわえて眺めています(笑)
さて,レポートpart2は今回の『プレスティージ』にECCCチームの現メンバーで参加するまでの
いきさつなどの話。
去年の徳島県上勝での『プレスティージ』に参加したメンバー5人のうち3人が転勤などで抜け,
キャプテンとボクがだけが残り,新しく3人に加わってもらいました。
新メンバーは,rocoさん,ポンプさん,シュンくんの3名。
rocoさんはもともとのECCCメンバーで過去に女子の『プレスティージ』参加歴があり,なんと
いってもECCCの地元の姫路女子で,キャプテンとのつきあいも長く,まっさきに新メンバーの
候補にあがりました。
海外の『ラファ・プレスティージ』で男女混合チームでの出走が主流となってきていることも
あって,ボク個人はrocoさんにかぎらず今後は女性ライダーを含むチームで出たいと思って
いたので,これは大歓迎。
もっと言うと,性別だけじゃなく,年令や国境もミックスの方がいいとボクは思っています。
男性だけ日本人だけというのはある意味ラクですが,視野の広がりに欠けがちだし,ミックス
することで生まれるハードルを乗りこえる楽しみを味わえないからです。
と,カッコよく言ったものの,実際にはrocoさんの走力や練習量を知ってはいるだけに,
『プレスティージ』の厳しいコースを完走できるかどうか,不安材料が増えるのは明らかで,
ご本人にもボクらにも迷いはあり,2月中旬に参加申し込みが始まる直前まで3人で話し
あったのでした。
それにくらべると,ポンプさんの加入はあっけないほどすんなりと決定。
去年は御自身のニックネームを冠したRCCのメンバーから成るチームで『上勝』に参加,
見事に完走もされているのですが,その後のなりゆきでチームに欠員ができ,誰が
新加入するのかボクとイーズキャプテンは見守っていました。
以前からECCCに親近感を抱いてもらっていることはわかっていましたし,自転車趣味での
ボクとのつきあいの長さやお人柄の良さなどからも,もしポンプチームが継続されないなら
ECCCに参加してもらえたらと淡い希望を持っていたわけです。
ダメモトで打診してみようかとキャプテンとボクで話が決まり,声をかけさせていただくと
なんとあっさりOKの返事。ポンプチームのメンバーが諸般の事情で予想以上に参加のめどが
たたず,『くじゅう』へのチーム参加は消滅,ご自身も不参加を覚悟されていたらしい。
いやあ,あっけなく大型新人をゲットできたねと,幸運に感謝するキャプテンとボク。
もうひとりの新メンバー,シュンくんは去年からECCCライドに何度か参加してくれていた
のですが,そもそもはECCCメンバーから好青年!の評価が高く,ライドへの招待もその
評価ゆえのものでした。
高評価というのは,けっして走力がすごく高いとか,ラファのウェアをよく着ているとか
いうことではなく,ソロで走ることが多い彼のSNS(とくにInstagram)での投稿から,
彼の自転車スタイルや好みがイーズキャプテンと重なるところが多く,彼ならキャプテンの
「世界観」をすんなり理解し,キャプテンのファンでもあるボクらチームメンバーとすぐに
良いハーモニーを奏でてくれると思えたという意味です。
つまり,シュンくんは最初から「ECCCっぽかった」わけですね。
そんなわけで,参加申し込みからほどなくボクらのもとにラファから「イエス」の返事が
とどき,完走めざして,ほぼ毎週末のように集まって練習を開始したのでした。
まだ姫路の北の林道に雪が残る2月から,もともとのECCCメンバーで登りを多くとり入れた
ルートを走っていましたが,ポンプさんやシュンくんも加わり,3月からは本格的な練習を
開始。
メンバーの中では『プレスティージ』やヒルクライムレースの経験が一番多いのはボクなので,
毎回テーマを決めて,練習コースを設定。おもに六甲山を中心に,段階的に獲得標高や強度を
あげてゆくメニューを組みました。
まだ寒いうちは,少しでも暖かいところがいいだろうというので小豆島にわたり,寒霞渓を
くりかえし登り降りする練習もしましたが,行ってみると尾根にはうっすらと雪が残り,
やっぱり寒い!(笑)でも,往復のフェリーの船上でのまったりした時間も含めてすごく
楽しい練習ライド。
ただみんなで集まって走るだけでも楽しいけれど,こうしてひとつの目標に向かって,
コツコツと歩みを重ねてゆくようなライドは本当に充実感があるものです。
一番懸念していたrocoさんの登坂力も,最初は無理をせずスローペースでみんなについてゆく
ことを目標にしていた段階から,終盤は誰よりも疲れ知らずのタフな走りに着実に進化。
本番直前の仕上げ練習のときに「平地は嫌い」という言葉が彼女の口から出たときには
男子メンバーはあっけにとられたものでした(笑)
同じ釜の飯を食ったというか,同じ坂でペダルを回した仲間って,話す内容や行動だけでは
なくて走り方や走路のとり方から性格や考え方がよくわかるようになるものです。
シュンくんは走るたびに,サドルを家に忘れてくる,登りの途中でペダルが壊れる,本番でも
スタート直前になってボトルに水が入ってないことに気づくetc.と「うっかりシュンくん」と
名づけたくなるほどチョンボが多かったのですが,そのうっかりと背中合わせに,天真爛漫で
優しい人柄をいつも見せてくれる。
九州からの帰りの新幹線の中でも,みんなと走れたことや他の人の苦労を思い出して涙を
見せてみんなに冷やかされていた(笑)
ポンプさんに加わってもらったことも幸運以上のできごとでした。
キャプテンは芸術家肌なので,ふだんのおっとりしたユーモラスな雰囲気を忘れてどこかに
暴走してゆこうとすることがあるけれど,ポンプさんが柔らかな物腰でストッパーになって
くれる。
ボクはボクで,根はシュンくんに負けないくらいうっかり屋なのに些細なことでカリカリする。
ときには他のメンバーの言動や行動にカミつくことがあるあるのですが,そんなとききまって
ポンプさんから潤滑油が注油される。
彼がいるのといないのではチームの安心感や安定感がずいぶんちがうのですね。
こうして,過去4回の『ラファ・プレスティージ(以前はジェントルメンズレース)』では
経験したことがないほど,ボク個人にとっては「チーム」を意識して『くじゅう』に出発する
ことになったのでした。
チームとしては,今年に入ってから起きたヌレギヌ的なできごとで,けっして平穏無事な
『プレスティージ』参加への道のりではなかったのですが,ラファジャパンからのあたたかい
励ましの声もあって,迷いとプレッシャーを乗りこえることができました。
もちろんいくら準備を重ねてチームワークが良くても,当日の天候・ルート・体調など
不測の事態が起こりうるわけで,もしかしたらとんでもない山の中でキャプテンの
リアディレーラーがもげたり,シュンくんのサドルが壊れてずっとダンシングでゆく
ハメに陥るかもしれない。
それでもきっとボクら5人の前には素晴らしい景色が待ちうけているだろう。
きっと新しい自転車仲間とのワクワクするような出会いがあるだろう...
そんな期待を胸に4月21日金曜日にボクらはそれぞれ別々の列車に乗って西へと向かったのですが,
期待は大きく裏切られることになったのでした。
もちろん良い方向に!
(続く)