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フレンチレッスン・ライド2

先週の土曜日は薄雪で化粧した京都の山里まで走ってきました。2度目のお勉強ライドです

フランス人のザヴィさんと日仏語を教えあい,京都人のマーシーさんからは京都の快適な自転車ルートや
「和」を中心に京都の文化や風物についてレッスンしていただくという,密度の高いツーリング。

2週間ぶり,年内最後となるライドは北山方面へ。

今回は,京都の自転車乗りならみんな知ってる有名な峠をめぐる山岳ルートです。

ざっくり地名をならべると,鞍馬街道から江文峠(えぶみとうげ)をこえて大原へ。
若狭街道(R367)から京北へ通じるR477に入り,前ケ畑峠から百井(ももい)の集落を抜けて百井別れから
鞍馬へ。賀茂川沿いに下って,御所のそばにある『虎屋茶寮』で和菓子をいただいて解散。



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おそらく関西以外の方には,なんだか古風で優雅な「はんなりしたツーリング」に聞こえそうな地名が
ならんでいるのですが,前ケ畑峠と百井峠はどちらも最大斜度が20%という難所。その2つをつなぐ
R477は「酷道」の代表格です。

しかも,集合場所のJR二条駅にむかう途中,クルマの窓から見える北山の尾根にはうっすら雪が積もって
いるではありませんか?

これはマーシーさんに相談して,危険回避で平坦路メインで宇治や大津方面へのルートに変更した方が
よさそうだと迷いながら二条駅へ。

すでにランデブーしていたおふたりに挨拶して,マーシーさんに変更しましょうか?と問うと,
大丈夫ですよ,走れますよとあっさりゴーサイン。

実はボク自身は冬場に北山方面を走ったことがないので,空模様と路面の加減がわかりません。
まあ,大原まで行って,R477に入ったところで路面がヤバかったら引き返せばいいやと,
とりあえず北に向かって走り出します。



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*大原の里の駅の朝市で。野菜の品評会?が開かれていて,いいあんばいのローカル感。



ところで,日本語学習にかけるザヴィさんの意欲は,ボクが自転車つながりで出会った外国の方の中では
ダントツの一番。

よく在日の外国人の方で日本語が堪能な方に出会うと,たいていはパートナーが日本人。まあ,そうですよね。
最高の語学教師は「一番身近で好きな相手」だもの。

でも,ザヴィさんはそうではないし,いわゆる「タタミゼ(畳暮らしが大好き,日本の伝統文化が好きすぎて,
ライフスタイル全般を和風化してしまうほど)の外国人」でもありません。

いろいろ聞いてみると,あくまでIT関連のお仕事のツールのひとつとして,短期間で日本語を習得する必要が
あるとのこと。

フランス語の他に英語・スペイン語・ラオス語ができるザヴィさんですが,いくら仕事の上で欠かせないとは
いうものの,「郷に入らずんば郷に従え」で,赴任地の文化や言葉に敬意を抱く姿勢は立派。

これが,英語圏出身者だと,なかなかこうはならないのですね。パートナーが日本人じゃない英語圏出身者で,
まともに日本語を使える人にはめったに出会わないです。

日本人の外国語下手は,外国語を使う環境がこれまでほとんどなかったことが原因ですが,英語圏の人が
英語以外の言語をあまり使えないのは,世界中どこに行っても英語でコトが足りてしまうことが原因ですね。
とくにビジネスで日本に来ている英語圏の人にその傾向が強い気がします。



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とまあ,いろいろザヴィさんとの会話で文化的な刺激を受けつつ,体力にもものすごい刺激がくるR477の峠道に
入ります。

前ケ畑峠への道は,最初の3分の2はごくふつうの登りですが,最後の3分の1で,ガァーッと高度を稼ぎます。

いくつもつづら折れの激坂をクリアしてゆくと,標高600mあたりから上の稜線は白い雪に覆われていますが,
さいわい路面コンディションはまだ大丈夫。

緩斜面のセクションではザヴィさんが先行しますが,斜度がキツくなってからは,イーブンペースのマーシーさんが
追い上げて,峠の1キロほど手前でストップしたザヴィさんをかわします。

以前の近江八幡へのライドの記事でも書きましたが,イマドキの女子ライダーはタフな方が多いです。ザヴィさんや
ボクが思わず腰をあげてダンシングしてしまう斜度の坂も,シッティングのままぐいぐい進むマーシーさん(汗)



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ようやくたどり着いた峠は,すっかり冬化粧。

ここから少し下ると百井の集落です。標高は700mほど。



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明るい日差しの中でキラキラと白く輝く百井の集落は美しく,思わず声が出ます。

マーシーさんいわく,こんなに降っているとは思わなかったです〜。

ーえっ,そうなんですか?下から見ると北山の稜線は白くて,路面も凍結していてヤバイかなと思ったのですが...(汗)

ここまでくると,引き返すわけにもいかず,あとは鞍馬への下りが通行可能であることを願うばかり。



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百井峠をこえてしばらく行ったところでアクシンデント。バキン!という音を立てて,ボクの自転車のリアホイールの
スポークが一本折れてしまいました。マヴィックR-Sysのリアのアルミスポーク(スプロケ側のジラクルシャフト)です。

昔のキシリウムなどとちがって,軽量化のためにスポークがかなり薄くなってはいるのですが,ボク程度の脚力で
購入後半年もしないうちに(たぶん走行距離も1,000km以内)折れたのはちょっとビックリ。

鞍馬までの下りをスピードダウンして恐る恐る帰ったのでした。

*あとで調べてみると,カーボンスポークではなくアルミの方が折れるのは珍しいケースらしい。場合によると
 スポークを総とりかえする必要もあるとか。軽量化のためとはいえ,とくにアクシデントもなく,舗装路だけの
 使用で折れるとなると,使い道がかなり限られてしまいますね。



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なんとか御所のそばの『虎屋茶寮』にたどり着いて,今度はお茶と和菓子を通じての日本文化レッスンです。

今回のテーマは「あんこ」。まだ「あんこ」を使ったお菓子を食べたことがないザヴィさんに経験して
もらおうという趣向です。

ボクが何も考えずに(体も冷えているし)「おしるこ」がいいですね〜と言うと,せっかくだから...と
マーシー師匠からご指導が(笑)やはり虎屋ならではの繊細な生菓子にしたのでした。



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それぞれ良さげなものを選んで(ボクは「祇園坊」)お抹茶とともいだだきます(これも正式には
お菓子をいただいた後に抹茶をいただくのが作法だそうです)。

なんとも言えない上品な甘さの「あん」にザヴィさんも満足とのこと。

生菓子の色合いや形に込められた四季の意味を教えていただいて,ボクも少しだけ日本人らしくなったの
でした(笑)

午前だけのライドでしたが,思いがけない雪景色も楽しめて,トレビアン!でございました。

次のレッスンが楽しみです。






Commented by どんなべ at 2017-12-21 21:35 x
いつもきれいな写真とともに楽しんでいます。今回は懐かしい風景です。大学4年の2月に鞍馬側から越えた百井峠、前が畑峠(当時は急勾配区間はダートでした)、当時も雪で百井峠の北側は20㎝の積雪で轍跡さえなく、滑るがままに下りました。江文峠はその当時登山道で、静原から担ぎ上げて大原へ抜けました。懐かしく思い出しました、42年余前を。
Commented by pedalweb at 2017-12-22 00:27
どんなべさん,おひさでございます(^^)

大昔のお話,良いですねえ〜。面白いですねえ。

前が畑峠がダートなんて凄すぎです!
百井峠の北で20cmの雪は楽しそうです!
江文峠が登山道でしたか!

一度京都で一緒にお寺をまわるサイクリングしましょう。
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by pedalweb | 2017-12-16 13:58 | ツーリング/ポタリング | Comments(2)