2018 信州峠めぐりツーリングレポートpart2〜白川郷

あいだが空いてしまいましたが,信州ツーリングレポートの続きです。台風の影響で旅程を変えてまわりました。

当初は初日に長野県南部の飯田市にある「しらびそ高原」に登って,翌日「乗鞍」という予定でしたが,
出発前の週明けから天気予報の降水確率は高くなる一方。

関東から関西そして九州へ抜けるという「逆走」台風の影響で,2日目の長野県の予報は「朝から雨」に。

メインの行き先はやはり乗鞍なので,雨の降らない金曜に乗鞍に登り,土曜は予報とにらめっこしながら,
降水確率次第では「しらびそ高原」へ。やはりダメなら降水確率が低い岐阜県北部の峠へ...と仮決めして出発。

この判断は正解でした。ご覧のように乗鞍は少し雲が出たものの快晴。二日目も白川郷で少し雨がパラついた
ものの,おおむね晴れ/曇りで濡れずに帰れました。

まずは宿の話から...



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*2日目に訪れた世界遺産『白川郷』で。伝統的な様式の民家とみずみずしい稲田のコントラストがみごと。ため息!



去年の夏の信州でのソロツーリングで泊まった渋温泉の宿の居心地があまりもよく,それまで温泉宿に興味が
なかったペダルさんがいっぺんに温泉泊まりの魅力のとりこになってしまったのは,去年のレポート
書いた通りです。

今年も二匹目のドジョウを...と思ったのですが,残念ながら白骨(しらほね)温泉でドジョウに出会うことは
できず。

泊まったのは白骨温泉の中では比較的リーズナブルなホテル形式の宿で,おそらく和室にくらべて人気のない
(狭いせいもあるでしょう)ツインの部屋をシングルユースで提供する2食付きのパッケージでした。

館内は古いながらも清潔で,お風呂も屋内外ともに気持ちよく,スタッフの皆さんのサービスも申し分ないもの。

でも,でも...でした(苦笑)

洋間形式の広い宴会場風のサロン?でとる食事は品数多く豪勢ではあるものの,口の悪い人なら「田舎の結婚式で
並ぶような品々」と言いそうな内容。山奥の温泉なのになぜか海の幸まで並ぶetc.といった塩梅。

しかも隣席とのスペースがあまり取られておらず,左右の男性客の浴衣からのぞく脚線美がずっと視野に入ったまま(汗)

ボクは温泉宿に行っても浴衣で部屋の外を歩きまわるのが苦手なので(あれはパジャマのはず),周囲からの
視覚と聴覚両面からの圧迫に落ち着かない時間をすごしました。

やれやれ,どうもボクは「**温泉グランドホテル」風な和洋折衷が性に合わないようです。勉強になりました(笑)

たぶん白骨温泉でももう少しお高い宿で(海外でいうと4ツ星ランク),「和」の長所を現代風にアップデートした
宿なら雰囲気もちがうのでしょう。機会があればそのレベルの宿にも泊まりたいものです。

*今回,自分の宿選びの基準が,国内のシルバー世代よりも海外からの観光客に近いことを痛感しました。
 たとえば,部屋ごとのWifi完備,カラオケルームなどなし,宴会料理ではなく地産地消の創意のある食事,
 地元情報が豊富なミニコミ誌や外国語のガイドの備えといった項目が揃うほど自分には合う宿です。



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さて,翌日は予報通りに朝から小雨の天気だったので,早々に白骨温泉を出発。

平湯からR158に出て,飛騨高山を抜けて東海北陸道へしばらく入り,岐阜県最北部の白川村へ向かいます。

台風の進路のせいで,信州から離れて北陸に近づくほど降水確率が低く,白川村あたりは午後3時以降に雨の予報。

これなら昼すぎまで世界遺産『白川郷』を自転車でポタリングしてカメラで遊べるだろうという計算です。

ネットで調べると,本格的に走るなら,白川村から飛騨へ抜けるR360の「天生(あもう)峠」が良さげですが,
あいにく豪雨の影響で通行止め。

道の駅にクルマを止めて,自転車で2キロほど南の白川郷の中心へ移動。サイクルキャップ,Tシャツ,トラウザーの
カジュアルなカッコでデジイチ背負った観光スタイルです。



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特徴的な茅葺の合掌造りの民家が立ち並ぶ地区に入ると,実にさまざまな国籍と思われる観光客が
そぞろ歩きを楽しんでいます。

聞き取れるだけでも,英語・中国語・韓国語はもとより,イタリア語・スペイン語・フランス語etc.と
ヨーロッパからの訪問者が多い気がします。

ボクが訪れた(数少ない)海外の世界遺産指定地区だと,フランス・アルザス地方の田舎町(リクヴィルや
カイゼルベクルなど)に似た規模やたたずまい。

いや,それ以上に素朴でつつましく伝統的な暮らしぶりがうかがえる保存と保全が見事です。

もちろんリアルな暮らしのないテーマパークではなく,いまもほとんどが地元の方の暮らしの舞台となって
いる家屋ばかり。

関西だと京都・美山の茅葺き集落が有名ですが,こちらはずっと規模も大きく,しかも世界中の観光客に
対する受け入れをしっかり意識されているのがわかります。

これはスゴイ!思わずカメラを構えるのを忘れて見入ってしまうのでした。



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*定番の「荻町城跡展望台」から。このサイズの村なので,観光には自転車があるととても便利!



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去年,渋温泉に泊まり,伝統的な温泉地の良さに目ざめたとき,ボクはこんなことを書いています。

 まさにこれは,グローバル化した世界だからこそ,徹底してローカルで,グローバルの荒波から
 美しいままに生きのびた場所を求めて人々が世界規模でたずね歩く時代の「観光資産」ですね。

 以前にも書いたことがありますが,ボクは海外を旅行するときもあまり世界遺産が売り物になって
 いる観光地には興味がなくて(行けば感心することも多いですが),街や集落の大小を問わず
 「暮らしている人の気配がちゃんとある,昔ながらのたたずまいが美しい」場所が大好きです。

これは今回の白川郷でも強く感じたことですが,渋温泉とちがって,もともとは観光地でも
保養地でもなかった集落が,通りいっぺんの観光地をはるかにしのぐ完成度で,しかも
優しく温かい空気を残したまま目の前に存在していることがさらなる驚きでした。

もしはじめて行かれることがあれば,家屋や田畑の美しさだけではなく,集落の至るところに
流れる疎水や小川の流水を利用した「水の音楽」とでも言える,溢れる水の光景にも目を向けて
みてください。

世界遺産という,ある意味ヨソ行きのアトラクションではあるのに,集落のそこかしこで
内省的と言っていいほど日本の田舎らしい懐かしさをたたえているのは,この水の豊かさや
手入れの行き届いた農機具などのせいだと思うのです。



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自転車で走ったのはわずか10キロ弱の日となったのですが,たっぷりと知的刺激を受けると同時に
えも言われぬ豊かで穏やかな気持ちになれた訪問でした。

静かな晩春の景色にもひたりに行きたいなあと思いながら,村をあとにしました。


(続 く)







Commented by KIHARU at 2018-08-11 14:31 x
過去に2度ほどコメントさせて頂きましたKIHARUと申します。
私も数年前に天生峠を上がった事がありまして懐かしさのあまりまたコメントさせて頂いております。
どの写真も相変わらず素晴らしいです。

先月だったかペダルさんを大阪市内でお見かけしました。
いきなり知らない人間から声掛けされたらビックリされるだろうと思いそのまま立ち去りましたが中々ダンディな方ですね。

これからも楽しみに拝見させて頂きます。
Commented by ペダル at 2018-08-12 19:14 x
KIHARUさん,ごぶさたしております。書き込みありがとうございます!

お〜天生峠いらっしゃったんですね!9月末には開通するようです。
一度秋の景色を楽しみに行ければと思います。

むむむ,大阪市内でですか?どちらでしょう。うっかり外で
変顔できないですね(汗)でも,もし次に遭遇しましたら
お声がけくださいね。意外に気さくですので(笑)

これからもご笑覧いただければと思います。
by pedalweb | 2018-08-07 23:42 | ツーリング/ポタリング | Comments(2)